インフォメーション
2022-08-26 19:39:00
苦難を乗り越えた人はとても魅力的です
私どもピアサポートチーム来実にはとても個性溢れる「自分をしっかりもっている」方々が活動を支えてくれています。
あるメンバーが先日知能検査を受けました。大人の力のバランス、強みを確かめるための検査です。当ルームは「強みを活かした繋がりルーム」ですので自らの強みを知っておくのは必須ということで以前から提案したことがようやく実現しました。
その検査の時に一番驚いたのはほとんど音をたてずに積木模様等の課題に挑んでいたこと。知能検査を受けた方はご存知だと思いますが時間制限のある課題ですので時間との競争。かなり慌てて積木を落としてしまう方もいらっしゃります。ガタガタっと音をたてるのは必須です(^_^;)
あまりにも音がしないのでもしかしてできなくて苦戦しているのではと錯覚する程の静けさ。「音をたてずに検査を誰よりも頑張ったで賞」をさしあげました(^^)
そして更に驚いたことにそのメンバーは幼少期からずっと落ち着きがなくお母さんがとにかくそのメンバーを落ち着かせようと幼少期から習字を習わせたり背中にものさしを挟んで学習させたり熱血教育を重ねてこられたそうです。
メンバーの丁寧な振る舞いからは言葉で聴かない限り焦っているような心のうちは知り得ない。それだけお母さんの思いに応えながらもしかするとお母さんが不安にならないように必死に頑張り続けてきたのかもしれません。そして普段からの物腰の柔らかさは苦しさを越えながら自然に培ってきた証かもしれません。美しく丁寧な文字の背景にお母さんとのそのようなエピソードがあったことを知りました。「文字は人の心を表す-」メンバーの苦しさとそんな苦しさを味わってもお母さんのことを大人になった今許すことができる優しさがメンバーの文字に表れていて心に染みます。
メンバーの幼少期のようにそんな抑圧状態が続く中で過ごすと通常は思春期に非行に走るか人とうまく関われず孤立してしまうか等不適応を起こしてしまいがちですが、自らその苦難を乗り越えたそのメンバーはとても魅力的な大人へと成長し自らの人生をたくましく切り開いてきました。たくさんの人を惹き付ける私どもスタッフにとっても人生の道標のような存在です。
そう思うとお母さんの対応はかなり度が過ぎていましたがお母さんの対応の中で人間性を日々磨き続けてきたメンバーの姿に「子育てには答えがない」ことを感じます。周囲のテーマに巻き込まれない力強さを幼少期から培ってきた私どもメンバーの生き方は家庭状況で悩む子どもたちに希望と勇気を与えてくれます。
「自分自身の行動で人生は開けていく」ことを教えてくれました。苦しみを力にかえてきたメンバーとの出会いに私たちピアサポートチーム来実は幸せを感じる日々です。
2022-08-24 18:41:00
ユニコーンに乗って
火曜日の10時から放送される「ユニコーンに乗って」というドラマの中で若者たちが知恵を絞り苦悩しながらどのような状況の子どもたちにも学習できるような学習アプリの開発に取り組んでいます。「学校という環境に当時の自分が合わなかっただけ」と永野芽郁さん(不登校の経験を糧に起業した)演じるさなさんの言葉が印象的でした。
日本の学びは以前よりかなり多様化しつつありますが、成人して社会人となり就職する際にはまだまだ厳しいハードルがいくつもあります。学歴、資格、経験‥。いずれも人と関わることを余儀なくされどんどん道が狭まる印象を受けます。集団が苦手な子どもを集団に馴染ませることを目指すのではなく安心できる環境で安心して学んだり仕事をしたりできるような人に優しい社会になればと願います。
集団で学ばなくても多くの人と関わらなくても学べる方法があることを子どもたちに伝えていきたい。そして子ども自身が学びや仕事、生き方を選べるような安心できる関係性の構築を応援していければ嬉しいです。ドラマの中のさなさんやかいと君のように自分の意志で道を切り開く準備ができるまで無理に外に引っ張り出さずに子どもの力を信じてじっくり待てるようなサポートシステムを出会った子どもたちやご家族、仲間と一緒に築いていければ嬉しいです。
2022-08-18 18:39:00
大切な教え子たち
スタッフの一人が今の支援職につく前に受け持った子どもたちがいます。来実の活動への最初の道を開いてくれた子どもたちです。
小学校の先生になったばかりで授業も子どもの対応もなかなかうまくいかず就職した頃から悩んでばかりの日々でしたが、元気な子どもたちと温かく応援してくださる保護者の方々のおかげで何とかかんとか2年が過ぎました。
そして社会人3年目。初めての高学年の担任となり5-2のクラスに入った時の純粋な子どもたちの笑顔とキラキラした瞳はいまでも忘れられません。不安と緊張でいっぱいだった私に子どもたちはたくさんの勇気と優しさをくれました。
放課後によく話しにきてくれたAさんと20年ぶりくらいに連絡をとることができました。Aさんは疑問を抱いたり学習でわからないことがあるとよく質問にきてくれる子どもでした。綺麗な文字で綴られたノートと凛としたたち振る舞い、優しい相手への気配り。自分が苦しい時にも周りを心配させないように気丈に振る舞う分、悩みもたくさんあったかもしれません。5年生なのに私よりもとても大人で私が気づく前に他の友人の状況をさり気なく教えてくれたAさん。5- 2を力強く温かく支えてくれました。20年間同じメールアドレスのままでいてくれたのも何だかAさんらしいなあと今回繋がれた奇跡に感謝ばかりです。
もう一人。6-1で出会ったBさん。キャプテンシー溢れる6-1の姉御的存在で私は頼りっぱなしの1年でした。5年生の時の先生が素晴らしい先生だった分、子どもたちにとって未熟な私は頼りない存在だったはずです。そんな私の状況を察して人一倍の明るさと笑顔でクラスをもり立ててくれたBさん。クラスで課題が生じる度に子どもたちが話し合いを重ねていきました。うまくいかないこともたくさんあってたくさん泣きましたが、個性溢れる一人ひとり。5-2も6-1もみんなみんな素晴らしい子どもたちでした。朝から日が暮れるまで毎日毎日みんなでドッジボールをおいかけたあの日々は私の誇りです。
そんな大好きな子どもたちから「先生の夢は?」と聴かれ「みんなが安心して楽しく学びを選べるような学校をみんなでつくること」と語ったことを覚えています。来実の活動はこの子どもたちとの出会いがなければ、人吉球磨で素晴らしいご縁をいただかなければ実現しなかった。よか仲間の中で過ごすのが一番の幸せです。よい人と繋がると安心が増えていきますね。
子どもたちが大人になり苦しい時はあの頃の恩返しができればとの思いでいましたが私自身も思うようにいかない人生の連続でなかなか力になれず申し訳なく思う日々でした。私よりも大人になった子どもたちの方が100倍頼もしい。でも私にとっては子どもたちはずっと大切な子どもたち。「苦しいときは苦しいと言って大丈夫だからね」といつか再会できたら伝えてあげたいです。Aさん、Bさんとの今回の奇跡的な繋がりに、心からありがとう。
2022-08-16 20:41:00
亡き父の言葉
コロナ禍の中のご帰省等皆様大変だったことと思います。
お盆の頃になるとスタッフの一人は仕事に行けなくなって休職していた時の景色をよく思い出します。
同僚からは「毎日日曜日みたいな感じってどんな感じ」と言われ泣きながら運転して通り過ぎた山道もよく覚えています。その当時は鬱を理解してもらえない周囲のせいにしていましたが、すっかり元気になった今、周囲の言動に巻き込まれやすい自分のテーマであることに気づけるようになりました。「この方はそういう考え。相手の気持ちがわからない(残念な)方なんだなあ」とそう思えば良かったのです。人間、同じような経験をしていないとなかなか相手のことは理解できないものです。関わりたくない人、注ぎたくない相手にあなたの大切なエネルギーを注ぐのはもったいない。関わりたい人、大切にしたい人に大切なエネルギーを注ぎなさい。恩師からはよく言われました。それからは心ない言葉を発する相手には心の中で「知らんがな。おたくのテーマですよ〜」と100枚程心にのしを備えてご丁寧に送り返すようにしています(^_^;)皆様、知らんがな作戦はかなり有効です(^^)
夏になると亡くなった父が自分で育てたスイカを嬉しそうに近所の方やお世話になった方々に配っていたのを思い出します。いつも相手が喜んだり嬉しそうにしたりする姿を見るのが大好きな父でした。
そんな父が私が仕事に行けなくなり仕事を辞めてもう一度勉強したいことを伝えた時の言葉は今でもいつも私の心にあります。「お前がしょぼん(しょんぼり)しちょっよっか笑っちょった方がよか。元気やったら仕事はどげんでんなったっが」→お前がしょんぼりしているよりは笑っている方がよか。元気でいれば仕事はどうにでもなるという意味です(^_^;)
公務員で安定していた仕事を辞めるのはほとんどの人から反対されました。そんな中一番の心の味方になってくれた父。今こうして素晴らしい仲間と来実の活動をさせていただいていることを誰よりも喜んでくれていると思います。まだまだ父の背中は遠いですが、年齢を重ねて少しでも父のような人になれるように来実の仲間と一緒にぼちぼち自分のペースで頑張りたいと思います。
2022-08-15 08:04:00
心の師
長い人生で「この方のようになりたい」そう思える人に出会えるのはとても幸せなことです。
当ルームの活動は信頼できる尊敬できる仲間たちと一緒に子どもたちのために何かできることがあれば‥その思いでスタートしました。人がたくさんいればよか繋がりができるかというとそれはなかなか難しく仕事は礎の部分で同じ方向性、各々の考え方や気持ちを共有できるかどうかが重要です。礎の部分が違うメンバーで幾度もやりとりを重ねても同じ部分を議論がぐるぐる巡るだけでなかなか前に進みません。今回はスタッフからサポートメンバーまで皆様々な事情や通常業務を抱える中限られた時間で何ができるか、時間と知恵を絞り出しながらの日々です。苦手なことに必要以上にエネルギーを注ぐのはもったいない。苦手なことは感謝の気持ちで得意な人に依頼すればよい。それぞれの強みを活かした役割を見出すきっかけをいただいている気がします。
職場で人間関係に悩んだり朝職場に行くのが辛かっりするのが長年続いている時は自分の力を大切なことや大切な人に注ぐことが難しい職場なのかもしれません。ご縁がある人や職場ではあまり無理しすぎなくても大丈夫な人間関係を自然に築くことができるものです。苦しいことや辛いことから離れる決断をすることでまたよか新たなご縁に繋がることもあります。
スタッフの一人が苦しい時に家族のように支えていただいた心の師のお一人に久しぶりにお会いしました。その方がいてくださらなかったらスタッフは支援職につきこのサポートルームの力強い応援者である仲間やサポートメンバー、心優しい子どもたちや保護者の方々にお会いすることはなかったと思うとピンチは自らの人生を切り開くための最大のご縁をいただくチャンスなのかもしれません。ピンチが訪れなければ出会わなかった方々ばかりです。
皆様にも「この人のようになりたい」と思える心の師との出会いがありますように。私どもがいただいたご縁を当ルームは来実ネットワークとして希望される方々にお繋ぎしてまいります。活動の最初は妄想のような目標からスタートしましたが今は妄想から理想、目標へとほんの少しずつではありますが目指すところと現状が近づきつつあります。「現実自己」と「理想自己」が重なりあうことが心身や活動の安定を生み出す折り合う力となります(^^)