当ルームスタッフから皆様へ
来実に込めた思い
子どもたちには教育を受ける権利があります。様々な事情で十分な学びの機会が得にくい子どももいます。一人ひとりの子どもたちが安心して学び自らの人生を切り開いていくきっかけつくりの場でありたいと願います。
今悩んでいる子どもたちが成人するまでには私たち支援職も保護者様も学校の先生方も子どもたちを応援する人も年齢を重ねていきます。悩みを重ねてきた子どもたちが学校を卒業したあと仕事や人間関係で悩んだ時にもとまり木のようにホッとできる場所を皆で築いていければと思います。人吉球磨の支援職は医療、福祉、教育、心理どの分野においても長期間にわたり人材不足の状況にあります。子ども支援を通じて若い方々が支援職を目指したい時には当ルームにおいて全面的に就労のサポートもしてまいります。もちろん支援職以外のお仕事を目指したい方々も社会福祉士中心に将来の安心のためのお手伝いができればと思います。
来実生が大人になって生き方を模索した時に来実で重ねた経験や出会いをもとに子どもたちなりの生き方を見つけてもらえるように来実に集う各々が子どもたちの道標のような存在でありたいと思います。辛い経験を重ねた人だからこそできることがある。私どもが出会いをいただいた子どもたちは人の痛みが分かる心優しい子どもたちばかりです。子ども一人ひとりが重ねた辛さや困り感を今後の強みに変えていくエネルギーを一緒にためていけますように子ども本来の力の活かし方に気づき十分に発揮していけるようにゆっくりじっくり応援していければ嬉しいです。
興野医療アドバイザーから皆様へ
子どもの支援をしていると、さまざまな悩みを持つ子どもと家族と出会います。精神科医療者の立場から、いちばん困るのが、「学校に行けない」という悩みです。もしも病気が背景なら、検査や治療をして状況が改善することもあります。集中力や学習効率などの問題にも一部は関与できます。ですが友人関係や教員との関係、家族背景などが大きな要因の場合、病院からできることは少ないです。せめて日中の通所先の提供だけでもできないかと模索してはいますが、なかなかうまくいきません。
学校に行きづらい子どもたちには、3つの支援が必要だと思います。①日中活動の場の確保。これは引きこもりを防ぎ、生活リズムを保つことにもつながります。②話し合える仲間の確保。対人交流スキルは将来どんな生き方をするにしても求められますし、経験を積まないと身に付いていかないものです。③学習環境の確保。基礎的な学習はさまざまな技術を習得して将来活かすための土台となります。
来実スタッフが中心になって進めているオンライン学習の試みは、これらの支援ニーズに応えようとするものです。理想にはほど遠く、あくまでも小さな一歩です。ですが小さな一歩に大きな意味があります。まずは学習支援を行うことで、そこから派生して居場所作りや仲間作りが進んでいくことがあります。大事なことは、いままでは支援を受けられていなかった子どもたちにも、少しでも支援の手が届くようになるかもしれないということです。
時代の変化と共に学校のあり方も変わっていくでしょうし、子どもたちに求められる「学ぶべきこと」も変わっていくでしょう。ですが「学校で学びづらい子どもたちに、どんな学びを提供できるのか?」という社会的な課題は残るでしょうし、それを考えていくことは大人の責務だと思います。決まったやり方が確立されていない以上、手探りにはなりますが、だれかがチャレンジしないと前に進みません。その勇気ある人の1人が前村心理師です。この小さな挑戦を応援して、大きな支援の形に育てていきたいですね。
医療アドバイザー 興野康也
友尻総合アドバイザーから 皆様へ
友尻総合アドバイザーから皆様へのメッセージ
皆さん、こんにちは。
3密を避け、手洗い・うがい・マスク着用等当たり前になってきましたが、コロナが早く収束することを祈りたいですね。
さて、私は友尻と申します。37年間、芦北・上益城・人吉球磨で主に中学校の教員をしていました。ピアサポートルーム「来実」の設立趣旨に賛同し協力させていただいております。
関係者全員、全集中で皆様に寄り添い一緒に考え悩みながら、皆様の今を、そしてこれからをより良いものにできますように頑張ります。
総合アドバイザー 友尻 憲秀
「学び」とは何か
先日のらふくんからのメッセージは学びの本質を問われている気がしました。らふくんの感じたことは多くの子どもたちからの大切なメッセージだと思います。子どもたちの学びたいことと大人が求める学びの内容が子どもの状態や思いによってはかなり離れている状況があることが考えられますね。外国では早い年齢から子どもたちが関心を抱くことやストロングポイントを伸ばす教育を尊重している国もあります。もっと子どもたち一人ひとりが伸び伸びと自分の良さを活かせる学びの選択肢が増えていけばと願います。
たくさんの方々かららふくんのメッセージへの感想をいただきました。
・子どもの学びは学校以外にもたくさんある。だが学校でエネルギーを使い果たしてしまう心の感度の高い子どもたちにとってはやりたい学びに使うエネルギーが切れてしまう。学校での学びの選択肢を増やしていきたい。
・東京のある学校の取り組みにあるように午前は学びに必要なスキルをまなぶ教科の学習、午後からは選択授業で子どもたちが学びたいことを学べる時間を確保するなど、学びは楽しいと思えるような取り組みができればいい。
・「一つやりたいことが見つかると次にやりたいことが鎖のように見つかる」らふくんの言葉に大人の自分にやりたいことがないことを痛感した。やりたいことが見つからない大人が子どもに学びの楽しさを伝えられるのか。自分の余裕のなさに気づかされた。やりたいことが見つかるには気持ちの余裕も必要。子どもたちが少し余裕をもって日々を過ごせるようにまずは自分から。
らふくん、らふくんのやりたいこと、興味のストライクゾーンを深めて道を切り開いていってね!というメッセージがたくさん届きました。「意志あるところに道あり」です。ちなみにらふくんはこれから来実の子どもたちを遠隔サポートで応援してくれる予定です😺
人吉市に「すららドリル」導入の予定⁉
人吉市の小中学校にすららドリルが導入予定の記事を拝見しました。すららドリルとは当ルームで導入しております‘すらら’の姉妹版のネット教材で小中学校で活用されています。たくさんの子どもたちの学習方法の選択肢が増えることがとても嬉しいです!
よろしければ導入に関する記事をご覧になってみて下さいね。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000348.000003287.html
※お隣の大分県教委では昨年度不登校傾向の子どもたちに家庭学習にすららの教材を提供される取り組みが既に始まっています。
https://ict-enews.net/2020/06/24surala-7/