当ルームスタッフから皆様へ

2021-09-07 06:15:00

「休む」「やめる」「変わる」選択

いずれもあまりよいイメージをもたれていない方も世の中にはたくさんいらっしゃるのかもしれません。

 

「休む」「やめる」「環境を変える」のはたくさんの同世代の人と同じように過ごす毎日から大きな別の選択をすることになります。経験されたことのない方にはなかなか理解が難しいのかもしれませんし‘協調性’を求められる文化の中で育ってきた私たちにとって「何故皆と同じようにできないのか」と感じることは無理もないことなのかもしれません。

 

今自宅で学習できるネット教材‘すらら’の体験を複数の子どもたちがチャレンジしています。

 

ずっと体調が悪くて毎日を不安に過ごしていたAさんがいます。体調が十分でなく面談に行こうと思っても身体がおいつきません。お母様のお話を通じてイメージするAさんの姿は「とても礼儀正しくて責任感の強い我慢強い子ども」でした。きっとたくさんの我慢を抱えて体調を整えるガソリンが足りなくなったんだろうからゆっくりガソリンをためてほしいと願っていました。

 

お母さんと自宅でゆっくりガソリンをためたAさんに先日初めて会いました。わざわざ車から降りて深々とお辞儀をしてくれました。私がイメージしていたままのとっても礼儀正しいAさんの姿に毎日きつくてもうまく言葉できつさを伝えられず頑張り続けてきたAさんのこれまでの日々も感じられました。「無理せずゆっくりでよかよか」とメッセージを伝えました。来てくれてありがとう。子どもの勇気に元気をもらいます。そして同時にAさんの丁寧さ溢れる人柄にお母様の子育ての温かさを感じ「大丈夫大丈夫」とお伝えしました。

 

今Aさんはまず体調を整えるために自宅で過ごしています。すららは体験している子どもがログインすると担当にも分かるシステムです。Aさんがログインしていると勉強していること以上に「今日も安心して朝を迎えられて良かった」とホッとします。

 

大人になると自分の過ごし方をうまく調整できるようになってきますが、子どもたちが一日を自分で考えて過ごすのは大変なことでもあります。子どもたちにとっても大きな未知の挑戦になりますが本当に各ご家庭で子どもの気持ちを温かく支えて応援して下さっていて頭が下がる思いです。子どもたちはわかってくれる人の前でしかサインは出せません。子どもがしっかり家族にサインを出せたことには大きな意味があります。

 

自分の身体、心、生活を自ら守るための勇気ある選択でもあります。苦しんでいる子どもたちに安心の選択肢が増えることを願い、一人ひとりの状態に合った生き方を選べるように応援できればこぎゃん嬉しいことはありません。

 

学習を再開するにはまず美味しくご飯を食べてぐっすり眠り頭の中を整理できる心身の状態が必要です。更に学校への再登校のためには学習、人間関係、困った時に困ったと伝えるスキルと伝えられる先生の存在が必要になります。次のステップを子どもが目指した時に総合的なサポートが必要になります。逆に子どもの状態に合わない対応を求められると心身の状態は悪化し益々子どもの道は狭まってしまいます。周囲の見極める力と子どもが何を希望しているか何を助けてほしいと思っているのか、子ども自身で気づき表現できるまで子どもの力を信じて待ってあげたいものです。心が温まって十分な準備ができれば自ら卵の殻を破り外に出てくる雛鳥のように必ず子どもたちも次の段階へと準備を始めます。まず心が温まることが大切です。不調が強い時は心身の状態を整えるのが何よりも最優先のテーマとなります。来実は様々な次のステップへの準備を進めていく場所です。

 

子どもと家族に笑顔が戻る。それが一番の選択です。その選択のあとには更に安心の道を自ら増やしていけると思います。道が一つしかなくて塞がり苦しい時はもう一つの道をつくる。将来苦しい場面に遭遇した時に必ず必要になるスキルでもあります。それは決して逃げではなくてきつい時に心身を避難させて自らを守る安心の道です。